dynamicsoar's log

主に研究関係のメモ

論文読み: Range of motion in the avian wing is strongly associated with flight behavior and body mass

基本情報

Baliga, V. B., Szabo, I. and Altshuler, D. L. (2019). Range of motion in the avian wing is strongly associated with flight behavior and body mass. Science Advances 5, eaaw6670. https://doi.org/10.1126/sciadv.aaw6670

結果

Fig. 1

翼平面形とRoMの基本的な整理

  • Fig. 1F: これは要するに軽い種のほうが関節の可動域が広く、重い種では狭く…というかより正確には「ひじと手首を独立して動かしづらい」ということかな。
  • Fig. 1G: まじで何を言ってるか全くわからない…

Fig. 2

ひじ関節を(人が)可動させたとき、手首関節が自動的に動く。それに関するおはなし。基本的に A 以外はあまり違いがないなぁという結果ぽい。

  • Fig. 2C (right), 2D: 可動にともなって AR も当然変わるので、その変動パタンを調べている。

Fig. 3

平面でなく3次元的なRoMについて。具体的には背腹方向(bending と呼称)と長軸周りの回転(twisting と呼称)。これらの呼称はあまり良くないと思うが、素晴らしい代替案があるかっていうと…。

なおこれについては平面的なRoMと大きな違いがあり、 1. 調べたのは手首関節についてのみ。まぁひじ関節はほぼ1自由度回転なんじゃないのという気がするからこれは妥当に思える。 1. 調べたのは61種ではなく約半分の30種のみ。こっちの方が気になる。疲れちゃったんだろうか…

  • Fig. 3上: 本文によると、ザックリ言って、右上に行くほど(=翼を伸ばすほど)3次元的な運動は抑制される(色としては暗くなる)という傾向があるようだ。まぁそうかなって気がする。
    • ただ、レンジが80度・150度とかなり大きく、個別に種を見ると相当な variation があるよねぇこれ…。たとえば、
      • bending で高い値の Cal annCalypte anna (Anna's hummingbird), Ral limRallus limicola (Virginia rail).
      • twisting で高い値の Asi flaAsio flammeus (short-eared owl), Tae gutTaeniopygia guttata (Sunda zebra finch).
  • Fig. 3A, C: というのをもっとわかりやすく示してるのがこれら。更に、色が暗いほど体重が重く、それらは下の方に位置している=3次元的な可動性が低い。まぁなんか直感的にもそうかなという気はする。
  • Fig. 3B, D: 飛行タイプによる違いはあるかどうか。黒 (gliding & soaring) とオレンジ (flapping & bounding) を比べるとありそうだけど、全体的にはこの差は弱いようだ。

Fig. 4

生体の運動計測との比較というか validation 的なもの。

  • A--C: A, B は zebra finch, pigeon の羽ばたき。C は gull の滑空。破線は Fig. 2 でやった「ひじを人が動かしたときの手首の動き」というカップリングの線。AとCはまぁいい。Bはカップリングの線が全然被ってないじゃんっていう。
  • D--F: 3次元的な可動の方について。ただし gull は3次元RoMとってないので(なんでや???まぁ前の研究でも出せてないのかもだが)、ここに示してるのは zebra finch と pigeon の bending と、pigeon の twisting. N=4と多めの zebra finch の twisting を示さないのは謎すぎ。サプリにあるかとは思うが…⇒なかった。えー?本文になんか言い訳あるかな…

Fig. 5

進化のお話。