ところでまず、この論文では『飛び方』は全く調べていない。推測しているだけである。鳥のパラメタとして計測しているのは博物館標本の翼の長さ wing length の他には性別と相対年齢(足輪装着後の経過年数)だけのようである。計測は成長が止まっているであろう成鳥に限っている。なお、鳥類学用語の wing length はバイオメカニクス業界のそれとは異なり、「肩関節から翼端までの長さ」ではない。翼は畳んだ状態で計測するがそれにも3種類のバリエーションがあるらしく、ややこしい。本論文ではサプリによると "distance from the writs joint to the longest (un-flattened) primary"(手首関節から最も遠い初列風切先端までを、翼を潰さずに計測)とのこと。
疑問
さて、論文で統制・考慮済みのパラメタ *2 のほかに、「結果に影響する可能性のあるパラメタ(環境や形質など)はどれほど調べたのか?」という点が当然の疑問として出てくる。たとえば、どれほど効くかはいったん置いておくとして、少し広い視点で考えるならば、当地の気温・気圧・空気密度なんかも入ってくるだろう(30年間で平均気温は上昇しているのでは?)。鳥の形質のうち飛行に関連しそうなものでは、まずは静的なパラメタとして、体重や翼面積(これらから算出される翼面荷重)、翼のアスペクト比*3 やテーパ比 *4、尾翼のサイズや形態、などがあるだろう。翼の(自然状態での・滑空状態での)キャンバ *5 やねじりも関係しうる。個々の羽根(とくに初列風切・次列風切)の形態や材料物性(したがって曲げ剛性やねじり剛性)はどうだろうか。さらに、羽ばたき・飛行力学・制御という観点も重要とすると、動的なパラメタとしては、羽ばたき運動(羽ばたき周波数・羽ばたき振幅やもっと細かな羽ばたき運動)や行動の変化もありえるだろう。これらの動的な要因は当然翼形態などとも関連するが、ほかに脳や筋骨格系の変容や、学習とも関連する可能性がある。実際に論文にも冒頭付近に "we might expect natural selection to favor individuals that either learn to avoid cars or that have other traits making them less likely to collide with vehicles." という記述がある。
One possible explanation is that selection has favored individuals whose wing morphology allows for better escape. Longer wings have lower wing loading and do not allow as vertical a take-off as shorter, more rounded wings [7]. Thus, individuals sitting on a road, as cliff swallows often do, who are able to fly upward more vertically may be better able to avoid or more effectively pivot away from an oncoming vehicle [8].
7. Swaddle, J.P., and Lockwood, R. (2003). Wingtip shape and flight performance in the European starling Sturnus vulgaris. Ibis 145, 457–464.
仮に出典7で論じているらしい "lower wing loading" "do not allow as vertical a take-off"(低翼面荷重の翼は…より垂直に近い離陸がしづらくなる)を認めたとしよう *7。しかし "Longer wings have lower wing loading and..." は怪しい。
severe weather events that caused slection on body morphology and changes in insect prey may also be responsible [9]
9. Brown, M.B., and Brown, C.R. (2011). Intense natural selection on morphology of cliff swallows (Petrochelidon pyrrhonota) a decade later: did the population move between adaptive peaks? Auk 128, 69–77.
たとえば次の画像は小翼羽 (alula) の機能について広く知らしめるきっかけとなった有名な論文 (Lee et al., 2015*10 のサプリ figで、実験の様子を示したものだが…
Fig S1 from Lee et al., 2015. DOI: 10.1038/srep09914
この翼の開き方などの形状や姿勢 *11 をどうやって決めたのかは書いていない。また肝心の小翼羽の角度についてもこの図にある a や b という平面的な(と思われる)開き角しか書いておらず、明らかに自由度が足りていない。たとえば想像してほしいが、a = 0 のままで小翼羽の先端が翼面から離れる方向に立体的に「開く」ことは可能だろう(上反角的な方向)し、実際の鳥の写真・動画を見てもこの方向の自由度はあることはほとんど明らかなのだが、その記述が(可能性すら)書いていない。小翼羽論文なのにこの話が一切ないのは個人的にだいぶ衝撃的だった。
*10:Lee, S., Kim, J., Park, H., Jabłoński, P.G., Choi, H., 2015. The Function of the Alula in Avian Flight. Scientific Reports5, 9914. https://doi.org/10.1038/srep09914
*12:もちろん Lentink et al., 2007 のような後退角が主眼の論文だったりするとちゃんと書いてあるが… Lentink, D., Muller, U.K., Stamhuis, E.J., de Kat, R., van Gestel, W., Veldhuis, L.L.M., Henningsson, P., Hedenström, A., Videler, J.J., van Leeuwen, J.L., 2007. How swifts control their glide performance with morphing wings. Nature446, 1082–1085. https://doi.org/10.1038/nature05733
*14:Maeda, M., Nakata, T., Kitamura, I., Tanaka, H., Liu, H., 2017. Quantifying the dynamic wing morphing of hovering hummingbird. Royal Society Open Science 4, 170307. https://doi.org/10.1098/rsos.170307
*15:Cheney, J.A., Stevenson, J.P.J., Durston, N.E., Maeda, M., Song, J., Megson-Smith, D.A., Windsor, S.P., Usherwood, J.R., Bomphrey, R.J., 2021. Raptor wing morphing with flight speed. Journal of The Royal Society Interface 18, 20210349. https://doi.org/10.1098/rsif.2021.0349
これらは Edit > Find から Noto Sans などを検索すると容易に見つけられる(tick は Value のみにいれる)。
[2025-06-19追記おわり]
消したらPC自体を再起動すべき。
PDF 化するときに印刷からが良いとか Export がいいとか Save as がいいとか Microsoft Print to PDF がいいとか Adobe がいいとかあるが?
正直どれがベストか自分もわかってません。色々試してうまくいったやつを使ってるが、マシンが変わると変わってる気もする(AdobeAcrobat Pro が入ってなかったりするし)。いまこの瞬間は(パワポの場合) Adobe タブの Create PDF だとダメ。Print > Microsoft Print to PDF と Export > Create PDF/XPS Document と Save as で形式を PDF にするやつはいける(この3つは同じなのか??)
Python was not found; run without arguments to install from the Microsoft Store, or disable this shortcut from Settings > Manage App Execution Aliases.
そもそもフタ付きを試していたのは、中身がやや重いとき(封筒ごととか説明書とか)に、上からスルーっと落ちるのが嫌だったから。しかしフタ付きはマチ付きの封筒型が多いし枚数にしては高い。そこで横から入れるサイドスローというものの存在を知ったので試してみた。30穴だし、悪くはないのだが、若干入れづらい(特に大きな紙)のと、そもそも上から落ちそうなやつなら重めなのでもうちょっと厚くないと若干きびしいかな、という印象。ただ、今後使っていくと実はここが最適解だった、となる可能性もある。まだ結論は下していない。厚さは 0.06 mm と薄い。