ペンギン遊泳・フリッパー関連の先行研究

論文リスト

  • Kinematics of swimming of penguins at the Detroit Zoo (1979)
  • The energetics of 'flying' and 'paddling' in water: locomotion in penguins and ducks (1985)
  • Penguin Swimming. I. Hydrodynamics (1988)
  • Penguin Swimming. II. Energetics and Behavior (1988)
  • Functional anatomy of the penguin flipper (1992)
  • The potential costs of flipper-bands to penguins (2002)
  • Lovvorn, J., Liggins, G. A., Borstad, M. H., Calisal, S. M. & Mikkelsen, J. 2001 Hydrodynamic drag of diving birds: effects of body size, body shape and feathers at steady speeds. J. Exp. Biol. 204, 1547–1557.
  • Shufeldt, 1901
  • Meister, 1962
  • (Dablow, 1925; Neu, 1931; Kooyman et al., 1971).

Kinematics of swimming of penguins at the Detroit Zoo

  • 計測はいくつかの手法で行っている。
    1. 時間計測
    2. 2台のSony 3210カメラ(情報が出てこないがおそらくアナログフィルム)により60 fpsで水路の中を泳ぐペンギンを撮影。2台使っているがこれはステレオ撮影のためではなく、単に広い領域を撮影するためのようだ。calibration とか three-dimension とかいう言葉は全く出てこないし、結果もない。また、水路の外から撮影しているにもかかわらず、ガラスと水による屈折の影響を全く考慮していない。
    3. 1台のカメラによる撮影から、体長で割った速度と、羽ばたき周波数を計測。
    4. 24 fps で?撮影。ちょっとここは自分のアナログ機器の知識不足で、何を言ってるのかよくわからない…。Fig. 2 はこの結果のようだが、羽ばたき1周期がたったの8フレーム・6フレームしかないので、24 fps というのは妥当に思える。
  • 種は色々いるが、撮影できたのは主に African penguin(論文中での呼称は blackfoot penguin).
  • 連続羽ばたきのみを解析の対象とし、間欠的な羽ばたき⇔滑空は解析から除いている。
  • 翼の迎え角は当然計測できていない。というか羽ばたき振幅も画像の解像度不足で計測できていない。これらは率直に書いてあって、印象が良い。
  • やたらと stride length の利用を推しているが、この方法で整理することでなにが嬉しいのかわからない。
  • アデリーで、gliding 直前の downstroke duration (0.35 s) は連続羽ばたき中のそれ (0.54 s) よりも短い、つまりストロークが速い。これはちょっと興味深い。つまり、glide する前には1回だけ、ただし強めに羽ばたいておく、ということをやっている可能性がある。
  • エンペラーが姿勢を変えずに 2.18 m 滑空したケースがあり、ここから抗力係数を推算している。体重すら計測せずに文献値なのか…水族館あまり協力的じゃなかったのかな…。"This force is assumed to be exclusively friction drag (D)" は意味がわからない。別に pressure drag 成分を除く根拠はないだろうに。普通に total drag でいい。Discussion の最後の記述とか見ると流体力学わかってないという感じではないので、なにか勘違いしてたのかな…。
    • また、結果としての抗力係数は 0.0021 から 0.003 とあるがさすがに小さすぎる。これは代表面積のとり方が表面積だからというだけでは説明がつかない。Lovvorn et al., 2001 によると little penguin (LIPEと略記)の模型・冷凍死骸とも、同等の Re(約100万)で最小でも 0.02 程度(代表面積を表面積にした場合。前面投影面積にすると1桁増える)。つまり、計測誤差が大きいというのもあり得るし、and/or 実際にはわずかに羽ばたくとか胴体を揺するとかして、このエンペラーはわずかでも推進力を生み出していた、ということもありそうに思える。
  • Neu (1931) では、水面付近を泳ぐペンギンの羽ばたき運動を調べていたが、これは今回の結果と異なる。水面付近ならではの制約があったのではと推測している。

The energetics of 'flying' and 'paddling' in water: locomotion in penguins and ducks

  • 体重が同じくらいのアヒルとリトルペンギンを比較。アヒルは足漕ぎ遊泳 (paddling) の代表、ペンギンは翼での遊泳 (flying) の代表という設定。
  • メインは酸素(正確には体積流量 $\dot{V}_{O_2}$)の計測。
  • 水面を遊泳中のペンギンを 200 fps のカメラ1台で横から撮影し、周波数を取得(アヒルは足漕ぎ、ペンギンは羽ばたきの周波数)。カメラは Milliken DBH-5 というアナログフィルムの高速度カメラ。
  • 死骸を使って水面での抗力を計測(水中にすると不安定で計測不能だった)。

The potential costs of flipper-bands to penguins

フリッパーバンドはコストを増大させる、という話。