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主に研究関係のメモ

シンポジウム「捕食・被食と殻の役割」のメモ

前置き

日本甲殻類学会・日本貝類学会共催シンポジウム「捕食・被食と殻の役割」 日本甲殻類学会・日本貝類学会共催シンポジウム「捕食・被食と殻の役割」 :: 日本甲殻類学会

に行ったので、メモ。

シャコパンチ

これを聴きたくて(というか加賀谷さんに会いたくて)行った。

  • シャコパンチは「水中で」最速の運動→では水の外で最速な運動はなんだろう?
    • しかし「最速」の定義と「運動」の定義が必要ではある。
    • おそらくここで問題にしているのは「胴体座標系での、体の一部分の」「瞬間的な有次元の加速度(あるいは速度かも)」。
    • たとえば「慣性座標系での」「有次元の速度」だと、おそらくは急降下中のハヤブサとかになってしまう。
  • 個体差が大きい…
  • 腕は(?あるいは受ける側の腹部だったかも)microcrack に強い特殊な構造
  • 撮影は30,000--50,000 fps (!). さすがにめちゃくちゃ速い…!シャッタースピードなども知りたいな→論文読もうか
  • エネルギはどうやって評価するのか?→力積をとってるぽい?→論文読もう
  • シャコは自分のパンチが見えるのだろうか?
    • パンチは速すぎるので、途中では見えていないっぽい?
    • では着弾観測はどうやるのか?視覚・触覚いずれか?両方?
    • パンチが遅いスピアラでも、一度モーションを始めると途中での制御は不可能らしい(スピアラも弾性エネルギ開放でパンチしてるってことかな)
  • 逃げる(動く)相手は叩けるの?
  • 1発目を逃した時に次弾装填 (loading) して再発射するのは可能?
    • 貝のように動かない相手ならできそうだが…
  • 一度途中まで弾性エネルギをためた後で、「やっぱりもうちょっとロードしよう」という追加でのロードはできるのか?しているのか?
    • バネを使わずにふつうに筋肉だけで動かすことはできるという話だった
  • パンチをする腕、上反角方向の回転は可能
  • 叩く前に(殻が相手の場合?)たくさん触っている
    • 何をチェックしている?材質?
    • 「本物の殻でないもの」を叩かせているが、その影響はどのようなものがあるだろうか。より一般的に言うと、叩く相手の硬さに応じてパンチの強さを変えたりしないのか。

シャコパンチ以外の講演

貝の生痕

  • 孔はともかく、カニがバキっとやったやつって、他の外力によって壊れたかどうかの区別を付けられるんだろうか…?
  • ゴカイが貝殻に孔を開けるという話があった。「隔壁があると穿孔がそこで止まる」と言っていたが、なぜなのかがわからなかった。質問もしたのだが、答えが理解できなかった。「掘る側に深さ制限があるのか?」と訊くと「そうだ」と言っていたと思うが、後で考えると、それなら隔壁などなくてもいいだろう。また、隔壁で物理的に止めるということなら、そもそも中空にする理由がわからない。中実でよいのでは?浮力の確保なのか?

タナイス

  • 脚の先端にある鱗みたいな構造、ヤドカリと同じくすべり止めだろうという話だった。ヤドカリにあるのを知らなかった。水棲昆虫のやつとも似てるんだろうか。

幾つかに共通

  • 貝に色を塗ってマーキングするという話があった。被食・捕食というシンポであるのにツッコミがなかったのでおそらく一般的な手法なんだろうけれど、素人からすると、その色を変えたことによる被食率みたいなものの変動がないの?ってのが気になった。
  • やはりある程度小さいものについては CT が強いなと思いました。お金払って計測してもらうのも十分にありかもしれない。
    • 種類によるかもしれないけど、僕が使用経験のある Artec の Space Spider はあまりにも細かな構造を調べるのは無理。おそらく SfM も同様? SfM は画素によるのかな…だとしたら表面については意外と SfM まだポテンシャルあるのだろうか…
  • 水の抵抗みたいな話はほとんど出なかったですね…ですよね…

UPDATE 2017-10-27

加賀谷さんに(2017-10-11付で)リプライのエントリをもらっていた:

katsumushi.hatenadiary.com

とりあえずリンクのみ。