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【本読み】『凹凸形の殻に隠された謎』

内容が忘却の彼方に行きそうなので、ここで一旦公開する。

対象の本

椎野勇太『凹凸形の殻に隠された謎 腕足動物の化石探訪(シリーズ:フィールドの生物学)』、東海大学出版部(発行当時は「東海大学出版会」かも)、2013. ISBN 978-4-486-01849-0

感想

率直に言ってメッチャ面白かった。学術的な内容というか、地球科学・地質学・古生物方面の面白さってのが伝わってきた。研究者人生云々、みたいなところはそれほどでもない…というか、面白いというよりは共感した、かな。僕はCFD→生物と逆方向に入った人間で、また、スウェーデンポスドクやったりもしたので、その辺も親近感がある。

疑問点

このへん、本当は論文を読めば概ね解決するはずなのだけれど、メモとして残しておく。

  • そもそも腕足動物の殻とは?ヤドカリみたいに拾ってくるんじゃなくて、自分で作る?気になるのは2点で、固さがどれほどか(流れでは変形しないのか?)と、生体組織なのか(ゆっくりとでも能動的に変形できるものなのか?
  • 「だだっ広い水底にぽつんと置いてある」モデルで良いの?(←ブーメランではある)
  • 変えた変数は、形状以外では、流入方向という yaw と流速の2つだけ?ピッチ角やロール角は変えていない?もしそうなら、どうしてその角度を選んだ?ロールは対称性からわかるとして、ピッチ角はどうやって決めた?
  • 内部構造について。実際には生体部分があるはずで、実際に触手冠について熱く語っている(その重要性がよくわからないのだが…表面積が大きいほど捕食効率が良いとかいうこと?そうであればハッキリそのように書くべきだった)。しかしCFDの形状モデルは、殻のみで中は空洞なのだろうか?おそらくそうだと思う。だとしたら、その妥当性はどう評価するのか?つまり、中に物が詰まっていたら当然流れは変わるはずでは?憶測でもいいから、何かしら中身を詰め込んで計算してみたりしたのだろうか?していないのなら、なぜしなくてよいと言えるのだろうか?もっと言ってしまうと、こういうモデル化しにくいことこそ実験でやるべきであって、CFDと全く同じことを実験で再度やるのはあまり意味がないと思う。というわけで、質問はむしろ「そういう、中身を詰め込んだ実験はしたのですか?してないなら、なぜですか?」ということになる。
  • 触手冠と殻のトレードオフ(?)のところ、気になる。「どちらでもよい」ような書き方だけれど、生成・維持・捕食効率(?)・etc. のようなもので、トータルの比較をした場合に、たとえばより後の種の方がエネルギ消費が少ないみたいな違いがあるのでは?
  • 水の物性(などの物性値・物理定数など)はどうしたのだろう?現代のきれいな海水を想定?別の値に変えてみたりしたのだろうか?
  • 表面粗さ…は、付着生物やってるか。